危険な異物誤飲 -チョコレート-
こんにちは。
久し振りになってしまいました。
2月といえばバレンタインデー! といえばチョコレート!
なんと、いつの間にか3月。。。
とはいえ、年間を通して来院・問合せが多い、身近な異物誤飲の代表、チョコレートについて取り上げます。
まず始めに意外と思われるであろうことを書きます。
「私はチョコレート中毒なるものを1度も診たことがありません。」
それは何故か? 理由をヒモ解いていきましょう。
原因
チョコレート中毒は、「テオブロミン」という成分が原因となって起こります。
症状
摂取から1〜4時間以内に嘔吐・下痢・震え・興奮・不整脈・高体温・痙攣発作・昏睡などの症状を起こします。
どれくらい食べたら中毒を起こすの?
文献により大きく違いがありますが、中毒量は体重1kgあたり約20〜92mg以上とされています。
(中毒量参考文献:20mg=犬と猫の治療ガイド2015、92mg=Handbook of veterinary emergency protocols DOG and CAT)
ちなみにスーバーやコンビニで売っているM社やL社のミルクチョコレートは現在1枚50gで、およそ100〜125mgのテオブロミンを含んでいます。
例えば、4kgのトイプードルが◯eijiミルクチョコレートを何枚食べたら中毒を起こすか?
→ 答え:1〜3枚ほど
※ ネギ中毒同様個体差が大きいので注意!
対処・治療法
- 少量であれば、
様子を見てよいでしょう。(ただし、チョコレート中毒ではなく、下痢などの心配はあります) - 不安がある量を食べてしまったら、
- 2時間以内・・・動物病院で吐かせる処置を受けましょう。
- 2時間から6時間程度・・・念のため動物病院を受診しましょう。
- 半日以上経っていたら・・・無症状なら様子を見ましょう。
- 中毒症状が出ていたら、
緊急事態です。動物病院で集中治療を受けましょう。
まとめ
チョコレートを食べても大事に至ることが少ないのは、結構な量を食べないと中毒を起さないからでしょう。
今回の記事を参考に、食べたら危ない量を普段からイメージしておきましょう。
最近では「カカオ70%」のようなカカオの濃いチョコレートも人気ですので、もしかすると今後チョコレート中毒を起こすワンちゃんが増えるかもしれませんね。
ちなみに、猫でチョコレートを食べちゃったという話は聞いたことがありません。猫は苦味が非常に苦手なのと、実は甘みを感じていない(らしい)ことが関係しているのかもしれません。
※2017年3月3日、文章中中毒量の表記を訂正しました。