新しい顕微鏡の導入

2019年06月28日

こんにちは。更新ペースがゆっくりにも関わらず、意外とブログを熟読してくださる飼い主の方がいらっしゃることを最近診察で知った院長です。ありがたいことです。

さて、今まで開業の時に購入したおもちゃに毛が生えたくらいの顕微鏡を使ってきましたが、この度新しい顕微鏡を導入しましたのでご紹介します。

 

株式会社島津の光学顕微鏡です。顕微鏡としては普通ですが、特徴として大きなタブレットがモニターとして付属しています。

そしてなんと!

モニターの画像をリアルタイムで他のタブレットに表示できるのです! 画像も動画も即座に保存が可能です。

これで皮膚検査の結果や、検便の寄生虫の動きまでもリアルタイムで確認していただくことが可能になります。
確認したくない方は遠慮なく言ってください!(笑)

光学顕微鏡でできることは、
・検便 ・尿検査 ・皮膚科検査 ・耳垢検査 ・細胞診断 ・組織診断
などです。

ちなみに、光学顕微鏡の基本ですが、ウイルスを見ることはできません。
そして検便でチェックできるのは寄生虫の存在です。あとは出血や炎症細胞でしょうか。
よく顕微鏡で「悪い細菌」が見えて下痢の原因が分かると誤解されているようですが、分かりません。悪玉菌に相当する細菌は見えますが、見えたからと言ってそれが原因とは判断できません。

当院の特徴として、院内で細胞診断などで悪性腫瘍などを迅速に予測・診断することも得意としています。スタッフ間でも画像を共有して勉強ができるため、ビシバシと顕微鏡診断技術を向上させ、診断能力に一段と磨きをかけたいと思います。

PS
最近、色々と動きがありまして、なかなか忙しい日々を過ごしています。
病院も混雑する日が増えておりまして、絶賛スタッフ募集中です。
その他面白い情報はその都度お知らせいたします。

人間ドックを受けて感じたこと

2019年04月25日

ご無沙汰しております。院長石川です。

本日、本格的な人間ドックを受けてきました。

一般的な検査は色々あるとして、それらに加えて、

・CT

・MRI

・胃カメラ(内視鏡)

と実施しました。

なんでそこまで詳しく調べたかというと、今後名古屋みらい動物病院を発展させるにあたって、自分自身の健康状態を把握するためです。

検査を受けて感じたことは、

「小さい子供もしくは動物だったら、検査を受けるときに、きっとものすごい恐怖に襲われるだろう。」

ということです。

CTは撮影時間も短くいいとして(被爆の問題はありますが)、すごい音と振動に襲われ撮影時間も長いMRIと、地獄の苦しみを味わった内視鏡検査(注)は考えさせられるものがありました。

(注:鼻からの内視鏡の予定が、種々の事情から口からになってしまった影響です。鼻からできる人であればかなり苦痛が軽減されるそうです。さらに内視鏡検査担当の方が知り合いというなんだか嬉しくない偶然も!(笑) 世の中狭いですよね〜)

自分自身が行う検査のテクニックの向上や、実施時間の短縮は当たり前の課題ですが、必要だから提案をしている状況下での「麻酔は嫌だから無麻酔でやって欲しい」という飼い主さんからのニーズに応えるのが必ずしも適切なのかと考えさせられます。(ちなみに動物では無麻酔でMRIや内視鏡検査を行うことは基本できません)

ある程度の医学的知識を有していたり、実施される意味・目的を理解していても、受け入れがたい苦痛を感じてしまうのに、それらを理解できない動物が許容できるとは到底思えませんでした。

知らず知らずのうちに他者視点を忘れ、自分本位になってしまいやすいのが日常というものですが、それを見直す良いきっかけになった一日でした。
できるだけペットに優しく飼い主に優しい病院づくりを目指します。

もちろん自分の健康状態も大事ですけどね!(笑)

小型犬に多い膝蓋骨内方脱臼

2019年01月10日

「膝が外れやすいって言われました。」

よく小型犬の飼い主さんから聞く言葉です。ペットショップで購入時に店員さんから言われたり、動物病院にかかったときに言われたり。

犬にも猫にも、そして人にも膝蓋骨という膝にのっかるように存在する可動性の骨があります。膝を触ってみてください。そうです。いわゆる『お皿』です。

膝蓋骨が内側にスライドする。これが小型犬に非常に多い膝蓋骨内方脱臼です。

内方ってことは外方もあるのか? あります。ダックスフントは足が曲がっている都合上、外方脱臼の子が多いですが症状は無いことがほとんどです。

症状は、急に足を挙げることが多いです。ただしこれが全く見られないことも多く、実は足の向きが変なのにそれに気がついていない飼い主さんも多いのです。内股でO(オー)脚っぽい感じになります。

問題は、

手術した方がよいのか? 様子を見ていいのか?

だと思います。実は、

「明確な基準は決まっていない」

のです。

詳しくは当院の手術の実例ページに紹介していますのでご参考にしてください。

膝蓋骨内方脱臼 手術後
基本的に、症状が全く無いのに手術を勧められたとしたら慎重に判断しましょう。

逆に、はっきりと症状があるのに様子見と言われたら問題でしょう。

膝蓋骨内方脱臼整復手術は、手術後のトラブルが起きやすい手術の一つだと思います。

愛犬のために、手術をするにしても、様子をみるにしても、しっかりとした判断の元で決定しましょう。

当院では多くのこの手術を行っていますが、もちろん様子を見る(内科治療をする)ワンちゃんの方がずっと多いです。
もし判断に悩むようならいつでもご相談ください。

名古屋市天白区の名古屋みらい動物病院