犬の「社会化」について考える

2015年06月10日

6月に入り、犬の狂犬病予防注射やフィラリア予防で混み合った院内も、平和な日々に戻りました。個人的には、気合(魂)が抜けていってしまうので忙しい方がいいんですけどね(^^;

今回はパピークラスに関連して、犬の「社会化」について知っていただきたいと思います。

「小学校の頃の得意科目でした!」

それは社会科!! ヽ(#゚Д゚)ノ┌┛)`Д゚)・;’

 

・・・冗談はさておき、ここ最近はパピークラス(子犬のしつけ教室)の参加の希望の方が多く、また皆さん熱心にご家族で参加される方が多かったので、会場である待合室もやや手狭な感じになっていましたが、みなさん無事卒業され、だいぶゆったりとした教室に戻ってきました。

昨日9日は、新規で2家族、継続3回目で1家族のご参加でした。
新規の方は、なんと! 岐阜県からご参加で、パピークラス史上もっとも遠方からの参加の記録を更新しました!
(ちなみに、今までは三重県からご参加の方。診察でもっとも遠方から来られる方は千葉県から。)
みなさんのペットにかける想いに頭が下がります。ご期待に応えられるよう努力・改善を重ねます。
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初参加のキャバリアの男の子、ウェルシュコーギーの女の子。緊張した様子は見せながらもお互いに距離を図りながら遊びに誘っています。
飼い主さんの役割として、遊びが無秩序にならないようにケンカにならないように、適切なタイミングで飼い犬に介入します。子犬期(社会化期)にしかできない犬同士の勉強。そしてなによりも飼い主さんの勉強が必要です。

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3回目のトイプードルさん(女の子)は、駆け回る2人と距離を常に保ち、なかなか一緒に遊ぶことができません。椅子の下に隠れたり、人の影に隠れたりしています。
単純に怖がりだからというだけではなく、距離感が近すぎる相手(特に子犬)に対する対処の仕方が分からないことも大きいでしょう。
もしこの子がパピークラスに参加することなく成犬になった場合はどうなるでしょうか?
犬の集まる場所(動物病院・公園)に行くたびに激しいストレスを感じることになります。

パピークラスに参加すると、飼い犬すべてが他の犬を好きになるわけではありません。でも、人間社会そして犬社会で生きていくための基礎を作ることができます。すなわち社会化ですね。
そのチャンスを愛犬に提供できるのは飼い主さんしかいないのです。

人も一緒ですね。人好きでなくても、人付き合いが上手になると、仕事もプレイベートも充実するでしょうね。

子犬を飼い始めた方も、これから子犬を飼おうか検討している方も、そして犬を飼っていない方も。人と同様、犬にも社会化が必要かつ重要であることを知って下さい。

「脱走した犬が人を咬んだ」などのニュースも最近よく耳にします。社会化という概念を知っていればそういったニュースもまた違った視点で考えることができるのではないでしょうか。
訓練やしつけ以前に、その犬が、「社会化」されていたかどうかも重要なことと言えます。