手術ラッシュ
こんにちは。
2月ですね。2月といえば「二八(にっぱち)」の2月です。
多くの業種で一年のうちでも景気が悪い月として、2月と8月が挙げられます。
当院でもご多分に漏れず、開院1年目・2年目と、さむ〜い2月を過ごしてきました。
が、今年は1月下旬から手術ラッシュで、2月に入ってからは大きな手術続きです。
「他でやらないような難しい手術もやってるぜ!」
とアピールしておかないと、病院を大きくできないので遠回しな宣伝みたいになりますがブログにアップしていきます(笑)
今月行った大きい手術としては、胃捻転の整復(胃腹壁固定術)と、ポリプロピレンメッシュを用いた両側会陰(えいん)ヘルニア整復です。
胃捻転というのは中高齢の大型犬で時々見られる文字通り胃がねじれてしまう状態で、通常そのまま急速に死に至る病気で、緊急の手術が必要になる病気です。大型犬で吐こうとしても吐けなくてぐったりしてきた場合、間違っても様子を見ようなんて思ってはいけません。(小型犬でも稀に発生します)
もし一旦捻転が解除されたとしても、90%以上の確率で再発しますので、再びねじれないように胃の固定手術を実施することが望まれます。
胃捻転は夜間に発生が多い病気なので、夜間緊急をしていた経験から多くの執刀経験がありますので困った時はご相談ください。
ただし、胃捻転は手術をしても死亡するリスクが高い病気です。基本、待てば待つほどそのリスクは高まりますので一刻も早い対処が必要と覚えておいてください。
会陰(えいん)ヘルニアは去勢手術をしていないオス犬に多く発生する病気です。去勢手術が勧められる理由の一つにこの病気の予防が挙げられます。肛門を支えている筋肉が痩せてスペース(穴)ができてしまい、肛門のワキの皮膚の下に腸や膀胱が飛び出してくる病気です。
あまり進行すると通常の手術の方法ではその穴を塞ぐことができないため、今回はインプラントとしてポリプロピレンメッシュを使って穴を塞ぎました。
〈これがメッシュ。ペラペラの硬いガーゼみたいな感じです。でもこれ1枚で ○万円します!〉
無事に飛び出した腸と膀胱そして肛門が綺麗に収まってくれました。
今後も他院では実施しないような難易度の高い手術にもチャレンジしていきます。ただ無謀な挑戦はしません。己の領分をわきまえつつ、日々研鑽を重ね、強い信念を持ち、そして動物と飼い主さんのためになることを目指していきます。