開院8周年と新病院移転のお知らせと院長所感

2020年09月02日

当院は2012年9月3日に開院し、多くの皆様に支えられて8周年を迎えることができました。深く御礼申し上げます。

また重要なお知らせとして、名古屋みらい動物病院は2020年12月5日(土)から新病院で診察をスタートする予定です。

名古屋みらい動物病院

➖ 所感 ➖

院長の石川です。8周年、新病院移転という大きな節目を迎えるに当たり、個人的な思いを書かせていただきます。個人的で率直な思いを書き留めますので長文です。興味がありましたら読んでください。読むのに要した時間はお返しできません(笑) 以前にもちょっと書いた内容ですが。。。

 

私が獣医師を志したきっかけは、恥ずかしながら、高尚な思いからということではなく、何となくでした。

通っていた高校は毎年医学部に100人以上が進学するような高校でしたが、その中にいてどこを目指すべきなのか目標を持つこともできず、ただ何となく日々過ごしていました。
当時の自分には国公立の医学部に進む学力もなければそれを目指すモチベーションもなく、家でブームだったゴールデンレトリバーを飼っていたこともあり、「自分が獣医になったら治療費が浮くのかなぁ〜」なんてことを考えながら、「みんなが医学部なら自分は獣医学科に進学すればいいか」そんなつもりで何となく獣医学科を選びました。

そんな流れですすんだ大学生活。高いモチベーションで進学してきた同級生も多くいる中で、自分はといえば、部活でテニスの腕を磨き、冬はスキーに勤しみ、いつも同じ仲間と集まり、大学生活を謳歌する。そんな生活を送っていました。今思えば将来の目標を想い描くことができず、現実逃避に近い状態だったのかもしれません。

就職を意識する大学5年生。趣味が充実できる安定の公務員を目指すか、製薬会社も何だかかっこいいかも、とにかく仕事が大変だと聞いている動物病院にだけは就職することはないかな、など深い考えもなくフラフラとしていました。

そんな折、実家の母から電話が来ました。飼っていたゴールデンレトリバーの調子が悪くて入院したと。そしてほんの数日でまた電話が来ました。亡くなったと。ちょうど実家に帰省する道中のことでした。
彼の死因は『肥大型心筋症』。犬では珍しく、未だに治すことはできない病気です。
彼は生前、咳をしていました。「おっさんみたいだな。歳とったせいかな〜。」なんて笑って見ていました。でも咳は犬の心不全徴候なのだと知りました。
初めて感じるような複雑な思いが湧き上がりました。彼がきっかけで獣医学科に進学しておきながら、咳に気づいていながら。何も感じなかった自分、何も考えなかった自分が許せませんでした。

「動物病院に就職することにした。」
それを聞いて驚いていた同級生の面々のリアクションは鮮明に覚えています。それくらいの学生生活を送っていたと察してください(笑)

そんな経緯がありながら就職しても覚悟が足りない状態で、「嫌だったら公務員に転職しよう。」なんて舐めたことを考えていました。ただ給料もらっている以上死ぬ気で勉強してやるという覚悟だけはありました。
朝6時に起きて勉強し、仕事に行きヒーヒーし、深夜1時まで勉強。就職1年目はそんな毎日を暫く続けました。人生で最も勉強したのは間違いなくこの時期です。

一生動物病院の獣医師で生きていこう。それを決意したのは就職3年目。
シーズーのももこちゃんという子を担当しました。彼女は免疫介在性溶血性貧血という非常に致死率の高い病気で入院になりました。大量のステロイドや免疫抑制剤投与、輸血をしましたが貧血の進行は止まることがなく、2週間後に病院で息を引き取りました。
未熟であることを自覚していた3年目の自分。やれることはやったからいいじゃないか、でももっと何かやれたんじゃないか、飼い主さんに責められるんじゃないか。何か後ろめたさのような思いを持ちながら入院中の経緯を改めて説明し、お見送りをする時に飼い主のご夫妻にかけていただいた言葉、
「先生は何も謝ることないですよ。私達は先生が入院中に一生懸命治療してくれていたのを見ていました。とても感謝しています。ももこも幸せだったと思いますよ。」
涙が止まりませんでした。ご自身がつらいお気持ちの中で、そんな言葉をかけていただけることに感動しました。
その時に決意しました。「もう自分に言い訳はしない。もっと勉強して、もっと腕を磨いて、たくさんの動物と飼い主さんを救いたい。」と。一生動物病院の獣医師として生きていく覚悟ができました。

その後千葉での勤務医生活4年3ヶ月。たくさんの方にお世話になりました。名古屋に戻って開業するとお伝えして、涙を流して送り出して頂いた飼い主の皆さんのことは忘れません。

開業して、鳴かず飛ばずの3年間。入るのも躊躇するほど空いていた当院に勇気を持って来院していただいた飼い主の皆さんには感謝感謝です。そんな空いてる病院自分だったら行かないなと(笑)
皆さんの支えとご紹介のおかげで沢山の方に来院していただけるようになりました。現在進行系で感謝ですm(_ _)m

2020年12月、新病院へ移転します。
これから待っているみらいはきっと辛いことばかりではないはずです。当院に関わっていただける全ての方に少しでも幸せを感じていただけるよう努力を続けたいと思っています。

 

さあ、ここでテイストを変えて、なんで移転をするのかアンサーリスト!

「なんで移転するの? 今のままでいいんじゃない?」と言われることも何度かあります。

私が移転を決めた理由

・犬も猫も快適に →入院室とホテルスペース別。さらに猫のいるスペースを犬のスペースから隔離。

・ウサギさんも快適に →独立の預かりスペース。だって草食動物ですから。

・飼い主さんも快適に →猫うさぎ待合いスペースと診察室を独立(完全別ではありませんが)。

・スタッフも快適に →表だけじゃなく裏側も広々スペース。セミナールームも設置。

・手術も快適に →2件同時進行で、手術もスムーズに。

・病院がかっこよくなる →間違いないです。

・「すごいですね」と言われる →いや、頑張るモチベーションになります ^^

でも「儲かってますね!」と言われると複雑な気持ちです。正しくは、「すごい借金ですね!」が正解です(笑) 儲けたいんだったら移転しないのが一番です。

 

私は世の中にとって替えのきかないスペシャルな人間ではないと自覚しています。前澤社長のニュースを見てスゲーなこの人と言っている側の人間です。
Mr.Childrenの『HERO』という歌があります。その歌詞になぞらえるなら、私は「命を引き換えにしてでも世界を救おうと誰かが名乗り出るのを待っているだけの男」だなと思います。
でも私は名古屋みらい動物病院に来ていただけるみなさんに寄り添い手を差し伸べられるヒーローでありたいと願っています。

 

読んで頂きありがとうございました。私の率直な気持ちです。

これからもよろしくお願いします。

名古屋みらい動物病院 院長・獣医師 石川亮太

 

 

 

X線画像処理システム FUJIFILM DR 導入のお知らせ

2020年02月02日

最新X線画像処理システム FUJIFILM DR 導入のお知らせ

当院では開院以来CRを使っておりましたが、ついにこの度DRを導入しました。

X線撮影(レントゲン撮影)を受けたことは皆さんあると思います。

X線撮影を行う時に必要な道具は次の2つです。
・X線発生装置
・X線画像処理装置

このうちX線画像処理装置は様式や性能で大きな違いがあります。

近年のX線画像処理装置の変遷に関しては、

暗室でフィルムを手で現像 → 暗室でフィルムを自動現像機 → CR(Computed radiography:コンピュータX線検査) → DR(Digital Radiography:デジタルX線検査)

と進化してきました。CR以降はパソコンモニターでX線画像を見られるようになりました。

大きな違い(CR → DR
撮影から画像になるまでの時間 40秒 → 1秒
次の撮影までの待ち時間 80秒 → 9秒
画質 普通 → 高精細

動物にかかる負担・ストレスもかなり軽減されることになりますし、スタッフの仕事の効率もアップするので診察待ち時間の短縮にも繋がります。

デジカメ感覚でレントゲンが撮れるというのは、便利な時代になったものだな〜、とシミジミ思います。

 

さて、最後に重大なことを書きますが、

当院は新築移転します!

詳細は追って・・・・・

名古屋市天白区の名古屋みらい動物病院 |緑区相生山駅から北へ車で3分|