パピークラスとジュニアクラス

2013年09月29日

パピークラスとジュニアクラスの開催もだいぶ板についてきました。
一家3世代(子犬も入れると4世代?)で参加されるご家族もあって、子犬を「家族」として迎え入れみんなで可愛がる姿に、見ているこちらも幸せな気分になります。
また、昨今の人気犬種を反映してか今までに参加した子犬さんの60%がトイプードルというのは興味深いです。

今日もたくさんの子犬さんたちとそのご家族が参加してくれました。

みんな比較的ヒトには抵抗無く挨拶に行けるのですが、やはり他の犬と遊んだことのない子がほとんどなので、犬同士様子を見ながら少しずつ距離が縮まって行きます。
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常に犬同士の遊びの中心にいる子や、なかなかそこに入れずに遠くから見ている子もいて、まさに人間の子供と一緒です。
時間とともに遊びの輪も縮まり、犬同士のコミュニケーションの仕方を勉強して行きます。
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人間の子供なら小学生くらいまでに相当するこの時期が、将来の人格(犬格?)形成にいかに重要かは、みなさん自分自身の経験で想像できると思います。
もし幼稚園や保育園、小学校に通うことなく家の中で育ち、いきなり中学校や高校に通えと言われても、適応することは困難でしょう。
‘親はなくとも子は育つ’ということわざがありますが、‘飼い主なくして子犬は育たず’と言えるのではないでしょうか。

<追記>
Pooches(プーチーズ)さんから開院一周年のお祝いの花を頂きました。ありがとうございます。
当院のイメージに合わせて頂いて、白と青の配色も素敵です。白い薔薇の花言葉は「尊敬」なので、尊敬される獣医さんになれるよう頑張ります!
プーチーズの久保田さん、鈴木さんに出会えたことは、開院一年目の苦しい時期の大きな希望でした。これからもたくさんの飼い主さんと動物たちを幸せにするために、お力を貸して頂ければと思います。
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なし

2013年09月20日

なしです。

いや、梨です。

千葉の飼い主さんから立派な梨が届きました。いつもお心遣いありがとうございます。
梨

すごく立派な梨ですが、大きさが伝わりづらいのでこちら。
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ゴールデンレトリバーさんのお顔よりちょっと小さい立派なサイズです。
 余計に伝わらない・・・(-∀-`; )

みなさん、梨の生産量全国1位の都道府県はご存知ですか?
そうです。千葉県なんです。
ちなみに愛知県は12位だそうです。

あれ? 山梨は?
40位・・・
「梨」の字が県名に入っていても関係無し!

なんだか平和なブログですが、今月は開院してからで一番忙しいです。
手術の件数が増えたのが一番の要因です。
あとは開院一周年記念で患者さん限定特別価格にて犬猫ドックを開催していることですかね。思っていた以上のリアクションにビックリしています。今後はこの金額ではできませんので是非ご利用下さい。10月末日までの開催です。

あ、あと東京オリンピック2020開催決定おめでとうございます!
ロゲ会長の「Tokyo」の時の表情と発音が素敵で暫くマネしていました。
今よりいい日本になるきっかけとして、国全体で頑張れるといいですね。

開院1周年と1日

2013年09月04日

名古屋みらい動物病院は9月3日に開院1周年を迎えました。みなさまのご支援感謝しております。今後ともよろしくお願いします。

ん、1日遅れ?

ええ、昨日は貧血の子猫さんが来院しまして色々大変で。

「よし、輸血だ! 子猫だからそんなに大量の血液は必要ない!」と、勢い良く血液型検査したところ、、、

「B型。。。(-д-;)」

そうなんです。猫の血液型は、A、B、AB型を判定するのですが、ほとんどがA型で、B型は3〜15%、AB型はほとんどいないという構成です。

人や犬なら「違う血液型だけど緊急なので輸血するしかない!」といった感じで1回目の輸血は大丈夫な場合もあるのですが(もちろんダメな血液型の組み合わせもあります)、約95%のB型の猫は生まれながらにしてA型の血液に対する免疫を持っているので、A型の血液を輸血すると死んでしまう可能性が高いのです。

色々当たってみましたが、B型の猫さんは見つからず、今のところ輸血無しで頑張っています。どなたかB型の猫さん飼っている方がいましたら教えて下さいm(_ _)m
でも猫さんは血液を提供するのにも、若くて健康で、完全屋内飼育で、血液型検査と猫エイズウイルス検査と猫白血病ウイルス検査に問題なく、穏やかな子(採血に時間がかかるので激しい子だと麻酔が必要です)などなどクリアしないといけない項目が多いのです。

 

<余談:自分自身への一問一答>

ちなみに院長の血液型はマイペースなB型です。
「B型なら輸血しちゃダメかな?、、、」
⇒ダメです。種が違います。

「マイペースな猫はB型だったりしないかな?」
⇒関係ないです。(実際にマイペースな猫を検査したらA型でした)

骨盤骨折整復手術

2013年08月24日

骨盤の骨折の原因で最も多いのは交通事故です。以前はよく車にひかれた野良猫の骨盤骨折を診ることも多かったのですが、動物の交通事故自体が減ったので骨盤骨折を診る機会も減りました。

ところが先日、交通事故のわんちゃんが来院し、検査で5カ所の骨盤骨折と左股関節の脱臼が明らかになりました。
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状態安定後、プレート・ワイヤー固定、大腿骨頭切除を行いました。
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骨折の手術は、道具と人員が必須で、そこに経験とノウハウが結果を左右します。
これから道具を充実させ、経験とノウハウを積み上げていきたいと思います。

血の涙を流す思いで購入しておいた整形外科の道具(一部)たち。これらでも必要最低限の道具です。ですのでまだ基本的な整形外科手術しかできません。
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ちなみに整形外科の手術道具はあまりにも高価すぎて、はっきり言って病院の収益には直接つながりづらい手術といえます。割に合わないんですよね。。。(上の写真の道具の1つ1つもとんでもない金額です(-.-) )
でも飼い主さんにとってはかかりつけの病院で一通りのことができるというのは安心ではないでしょうか。

まだまだ人員も道具も不十分ですし、実施できる手術の難易度も高いとは言えませんが、日々精進してまいります。がんばるぞ~

日本動物高度医療センター(JARMeC)名古屋

2013年08月16日

今日のお昼は日本動物高度医療センターへ行ってきました。

先日当院に紹介来院したわんちゃんが悪性も考えられる口の中の腫瘍であったため、その日のうちにCT検査・治療などのために名古屋市天白区にある日本動物高度医療センター名古屋へ紹介し、翌日に受診して頂きました。
検査の結果左あごの手術を行うことになったので、その手術の様子を見させて頂くために訪問しました。

当院から15分ほど、大きく立派な建物に到着しました。

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もちろん2次診療施設(他院から紹介された動物のみを診察する施設)ですから設備も充実しています。

こちらの院長であり担当医でもあるF先生に初めてお会いしました。非常に気さくに親切に対応して頂き、手術の内容に関しても詳しく分かりやすく説明して頂けました。初めての場所で緊張しましたが、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

今や動物医療にも妥協をせず、より質の高い医療レベルを求める飼い主さんが増えています。
名古屋みらい動物病院・獣医師個人として目指すべくところは、中途半端にあれやこれやと行うのではなく、より質の高い1次診療のプロフェッショナルである、と再確認することができました。
そして2次診療のプロフェッショナルである施設と連携をとり、飼い主さんと苦しむ動物たちにより良い獣医療を提供できればと思います。

来週には当院でも骨折の整復手術の予定があります。ついに本格的に整形外科にも取り組んでいきます。
また後日にご報告したいと思います。

<補足>
「1次診療=簡単な診断治療」ではありませんし、「2次診療=高度医療」では必ずしもありません。
なぜなら知識さえあれば、ほとんどの病気が特別な器械や道具を必要とせず診断できるからです。
ですので2次診療施設とは、特別な器械や道具や設備、特殊なノウハウ、必要な人員などを備えた施設といえるかもしれません。
そういう意味では、うちが目指すのは「1.5次診療」なのかもしれませんね。

フェレットのワクチン

2013年08月12日

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本日開院してから初めてフェレットさんのワクチン接種を行いました。

そうです。当院の診察対象動物は「犬・猫・うさぎ・ハムスター」です。
ところがなんと当院開院日の最初の診察がフェレットさんだったという不思議な縁です。

なんでフェレットを診ないか?ですと?
色々理由はあります。(ちなみに勤務医時代は普通に診察していました。)

1番の理由は犬・猫の診察と同じレベルを期待されると難しいからです。次にフェレットは自分自身で飼ったことがありません。
つまり最高のパフォーマンスを発揮できないので、最高のパフォーマンスを発揮できる病院を受診して頂いた方が飼い主さんの利益になると考えていたからです。
でもこの周辺の動物病院はフェレットを診ていない病院が多くて、不便を感じている飼い主さんも多く、地域貢献ができればなぁと最近は思います。そのあたり了承頂ければ、爪切り、ワクチン、内科治療、異物摘出手術などはできますのでご相談下さい。

高齢になると高い確率でかかる副腎疾患・インスリノーマなどは、場合にもよりますが、他院へのご紹介になってしまうこともあると思います。

ちなみにワクチンは日本国内にはフェレット用ワクチンが存在しませんので、犬用の3種ワクチンを接種します。また、犬用3種ワクチンのなかでもフェレットにしっかりとした免疫がつきやすい京都微研の‘キャナイン3’を接種しますのでご安心下さい。
フィラリア予防薬もお出しできます。

そういえば先日東郷町の実家のあたりを車で信号待ちしている時に、巨大なイタチが目の前を歩いていきました。
オ〜、東郷田舎!

僕の育った実家の回りは目の前が畑、右は池、左は田んぼ、裏は森という大自然でした。キジは普通に歩いているし、蛇は地面にゴロゴロ転がっているし、通学路に野犬はいるしという環境。幼少期には蛍も飛んでいたことを覚えています。

三つ子の魂百までといいます。あの頃に戻りたいかというと、

いや、無理!(>_<)

蛇も虫も怖い今日この頃です。

ジュニアクラスはじめました

2013年08月04日

先日、3家族のわんちゃんが当院パピークラスのカリキュラムを無事修了しました。

おつかれさまでした。そしてありがとうございました。

参加者集まるのかな〜と不安いっぱいのなかスタートしましたが、それに反して7台分ある駐車場が足りなくなる事態。特に予想外だったのが、県外をはじめ、近隣の市区からわざわざ足を運んで頂けたことです。。。本当に感謝感謝です(TдT)

なんだかこう書くともうイベント終了みたいですが、いえいえ。そうなんです! 実は愛犬との生活はスタートしたばかりなんです!
生後半年を過ぎてくると、いわゆる「問題行動」が見られやすい時期になります。問題行動は飼い主さんの対応で悪化していくパターンが多いため、早い時期に対処することが必要です。また引き続き、社会に適応する練習を続けていくことはとても重要です。

そこで登場、ジュニアクラス! パピークラスと違い定員を3組としまして、より個別に質を高めた内容にしていきます。
詳しくは こちら

名古屋みらい動物病院のポリシーは、その場その時の対処はもちろん、生涯にわたる飼い主さんの愛犬との生活をサポートしていくことです。
今後ともごひいきにm(_ _)m
パピークラス風景

ちなみに、
パピークラスを修了した子には、パピークラス修了証を順次お送りしていきます。
どんなものかは届いてからのお楽しみで。大したものではないですが。

 

7月24日の出来事

2013年07月25日

24日の昼下がり、電話がかかってきました。
近所の小学校の4年生で、夏休みの自由課題で獣医さんのインタビューをしたいとのこと。
たどたどしいながらも慣れない敬語で頑張って話すその一生懸命さ。
3児の父としては、電話の向こうのそのひたむきな姿を想像するだけでもう涙腺が・・・(笑)

いつも心に刻んでいるのは、「獣医師が動物を治すのは当たり前。飼い主さんに納得・満足頂けるかが問題。」
小学生にインタビューしてみたいと思われる職業というのは素晴らしいと思います。
そこで思ったこと、
「夢を壊さないようにしないと・・・」
はい。思ったことをポロッに言ってしまうこの口。気をつけます。

話は変わって先日導入したエコー。
r_adrenalgland<右の副腎>
l_adrenalgland<左の副腎>

中央やや上にあるピーナツ型の黒い固まりが副腎ですが、厚みが4〜5mmの臓器もくっきりです。
今までのエコーでは全く見えなかった厚さ3mmの腸管構造もバッチリです。

このエコーでどんどん診断を下したいところですが、そんなに重症の患者さんが来ません(笑)
いや、病気の子が少ないのはいいことですけどね。

パピークラス開催報告(2)

2013年07月14日

7月の9日火曜日、13日土曜日とパピークラスを行いました。この2日間で、のべ10組の参加者の方にご来院いただき、賑やかに開催されました。
初めて病院に来たときは飼い主さんの後ろに隠れていた子も、他の子と楽しく病院内を走り回っていました。
pc

開催側として、パピークラスを行うにしても何となくではダメです。必ず理論が必要です。
現在では動物の行動に関しても学問として確立しています。
大学の獣医学の教科書でもこういったものが出ています。
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これは僕が学生だった頃にはなかったものです。実は授業としてもありませんでした。
読むとなかなか興味深い内容です。

新しい知見、情報を常に取り入れるよう努力を続けないといけないですね。

ああ、明日(今日)は午後2時から8時まで超音波のセミナーです。寝ないように頑張らないとです。
日々是勉強。

新しい超音波診断装置(エコー)導入しました!

2013年07月06日

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念願だった新しいエコーがやってきました!

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エコーは目的によって探触子を使い分けます。
左から、

リニア型・・・主に体の浅い部分を詳細にみることができます。一般臓器はもちろん、甲状腺や副腎など1cmに満たない大きさの器官まで観察することができます。

コンベックス型・・・お腹の中を広範囲に観察できます。体の深い部分の観察能力に優れるため、中・大型犬の内臓を見る場合に活躍します。

セクタ型・・・動きのあるものを観察する時に活躍します。主に心臓の観察に用います。

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少し専門的な内容ですが、このエコーには連続波ドプラ・パルスドプラ双方の機能が備わっているので、心臓内部での血液の流れや逆流をカラー表示したり、その速度を測定することができます。これにより心臓病の診断、心臓病の状態、さらには全身血圧の測定値と照らし合わせて心臓内の血圧の予測をすることが可能です。

ただし、実際のところ超音波検査の価値というのは 検査する人間の能力に大きく左右されます。つまりいくらいい器械を持っていても、専門的な知識と技術がなければ全く役に立ちません。
ただの器械自慢に終わらないように、今後とも超音波検査の知識・技術の習得に努めたいと思います。

という訳で、今月の14・15日の午後は超音波の勉強会に参加してきます!

<雑記>
今まで使っていたエコーは1996年製(!)のエコーでした。
1996年といえば、村山内閣が退陣し橋本内閣が発足した年であり、安室奈美恵を模した「アムラー」が流行語になった年であり、私が高校でテニスをしていた年であります。

日本には九十九(つくも)神という概念があります。森羅万象には霊魂が宿るという思想で、長く健在であったものには魂が宿るというものです。今の日本ではおろそかになってしまった、物を大切にしようとする素晴らしい考えだと思います。

こんな前置きを書きながら、私はあまり非科学的な考えは信じない口なんです(笑)。でもこのエコーにも歴史があり、少なくとも「想い」が宿っているのは間違いないでしょう。
廃棄処理することになりますが、なんだか寂しい気持ちになるものですね。

そういえば、映画「トイストーリー3」を観た時に、今の日本人が忘れかけたこの想いを、アメリカの映画から思い出させてもらった気持ちになりました。実写ではなくアニメーション映画ですが、素晴らしい映画なので観たことのない人は是非!
あれ? 超音波の話だったはずが映画の話に。。。(^^;